専門分野:映画学、中国語映画
研究内容:
香港、東南アジアそして北米の三ヶ所に居住する中国系住民によって製作される中国語映画を取り上げ、国民国家の枠組みから逸脱する中国語映画について研究しています。また、日中戦争期の重慶や武漢で製作された「国防映画」や、1949年中華人民共和国が成立した以後に作られた少数民族を主人公にする中国映画についての研究も、同時進行で行っています。
主要業績:
1、『ナショナル・シネマの彼方にて――中国系移民の映画とナショナル・アイデンティティ』(晃洋書房、2014)総ページ数170 pp.〔京都大学大学院人間・環境学研究科 博士論文(甲第12407号、2006年3月)の書籍化〕
2、藤井仁子編『入門・現代ハリウッド映画講義』(人文書院、2008年4月)、執筆担当:第5章「キャメラの背後のイエロー・フェイス――『ブロークバック・マウンテン』における神話の打破と再生」pp. 121-143.
3、応雄編『中国映画のみかた』(大修館書店、2010年7月)、執筆担当:「中国式のシンデレラ物語――『遥かなる愛』に見る女性表象の系譜」pp. 21-35, 「内モンゴルの表象――共和国初の「少数民族映画」について」pp. 130-145.
4、黒沢清・四方田犬彦・吉見俊哉・李鳳宇編『日本映画は生きている』第8巻『日本映画はどこまで行くか』(岩波書店、2011年1月)、執筆担当:「「日本映画」を超えて」pp. 165-178.
5、「戦時中の重慶における官営撮影所の映画製作について――『東亜之光』を中心に」、森時彦編『長江流域社会の歴史景観――京都大学人文科学研究所附属現代中国研究センター研究報告』(京都大学人文科学研究所、2013年10月)pp. 421-433.
6、堀潤之・菅原慶乃編『越境の映画史』(関西大学東西学術研究所、2014年3月)、執筆担当:第4章「ナショナル・シネマの隙間に――一九二〇年代のマレー半島における中国系移民の映画製作について」pp. 145-167.
7、「戦前のブラジル日系社会における日本映画の上映と受容」『エクス 言語文化論集』10号(2017年3月)pp. 49-62.