富井玲子氏講演会

美術史家の富井玲子氏の講演会を行います。事前登録のうえご参加ください(会場が変更となりましたので、ご確認をいただければ幸いです)。

現代美術講演会「オペレーションの思想から考える―1960年代日本における行為の表現と写真の位置」

美術家の仕事を〈表現〉と〈オペレーション〉の二つの位相でとらえるとすると、〈オペレーション〉はスタジオの外側で起こる社会とのインターフェース、つまり人々とのコミュニケーションの回路全般を意味する。1960年代日本で突出した行為系の作品では、多くの場合〈表現〉と〈オペレーション〉が一体化しているという特質を持っていた。ただし、1960年代はパフォーマンス・アートの初動期であり、一回性の行為そのもので成立する作品の〈第一の生命〉と、事後におこる情報のオペレーションから形成される作品の〈第二の生命〉の接続が必ずしも明確に意識されていたとは言えない状況があった。このことをハイレッド・センターの通称《掃除イベント》(1964年)を中心に考えてみたい。

日時 2024年12月6日(金 )午後6時〜午後8時
場所 東京大学駒場キャンパス21KOMCEE West 地下1階レクチャーホール

講師 富井玲子(美術史家、インディペンデント・スカラー/キュレーター、ポンジャ現懇主宰)

司会 加治屋健司(東京大学大学院総合文化研究科教授)

主催 東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻加治屋健司研究室
共催 東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻表象文化論研究室

参加費無料、事前登録制

こちらからご登録ください:
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富井玲子(とみい・れいこ)
美術史家。1988年テキサス大学オースティン校美術史学科博士課程修了。以後ニューヨーク在住、国際現代美術センター(CICA)の上級研究員を経て1992年より無所属で活動。ポスト1945日本美術史研究をテーマにしたグローバルな学術メーリングリスト・グループ「ポンジャ現懇」(2003年設立)を主宰。単著Radicalism in the Wilderness: International Contemporaneity and 1960s Art in Japan [荒野のラジカリズム―国際的同時性と日本の1960年代美術] (The MIT Press, 2016)がロバート・マザーウェル出版賞を受賞、同書をもとに「Radicalism in the Wilderness: Japanese Artists in the Global 1960s [荒野のラジカリズム―グローバル1960年代の日本のアーティスト]」展をジャパン・ソサエティ(ニューヨーク)で企画開催(2019年)。11月に日本語での初の単著『オペレーションの思想―戦後日本美術における見えない手』をイーストプレスから出版した。

画像:『オペレーションの思想』別丁扉(作品:GUN《雪のイメージを変えるイベント》1970年 写真:羽永光利 協力:羽永光利プロジェクト実行委員会)