2006年度授業紹介 ── 教養学部後期課程


講座名担当教員名講座内容
表象文化基礎論(夏) 小林康夫 表象文化論の基本的な問題を資料の断片をコメントすることで検討する。詳細は開講時に指示する。 使用文献:放送大学大学院「表象文化研究」の教科書新版
・成績評価:小テストとレポートの組み合わせ
表象文化基礎論演習(夏) 高橋宗五 この授業ではHeiner Müllerのもはや戯曲とは言い難い「戯曲」を読み、20世紀後半における演劇と戯曲の可能性と問題について考えてみたいと思います。後期HMの作品は一読して明らかなようにきわめて難解であり、解釈を拒否しているかの観がありますが、実際に舞台に掛けられるとどのような意味の相を開示するかを、劇評などを手がかりに考えてみたいと思います。ドイツ語が読める必要はありませんが、ドイツ語の読める方を歓迎します。
・成績評価:レポート
表象文化構造・機能論(夏) 高橋哲哉 <ヤスクニ>の構造・機能論 国民国家における戦死者の表象の一ケースとして、<ヤスクニ>のシステムを考察する。 使用文献:参考書として、高橋哲哉『靖国問題』(ちくま新書)、同『国家と犠牲』(NHKブックス)
・成績評価:平常点およびレポート
表象文化相関論(冬) 浦雅春 メディアの歴史を概観する。手始めに19世紀末の電機の時代に焦点をしぼり、電灯や電話、ラジオを取りまく環境、新しいテクノロジーと社会との関係を考え、メディア研究の基本的な論文を読む予定。詳しい内容については開講時に指示する。
・成績評価:平常点とレポート
表象文化史(冬) 岩佐鉄男 <日本音楽>の流れ 過去から現代に至るまで、他の芸術ジャンルと同じく、日本の音楽・芸能は外来の文化をとりいれ、それを同化吸収しつつ改変しながら、独自の文化システムをつくりあげてきた。この授業では、主として古代から中世にいたる音楽の流れをたどりながら、この受容と創造、そして伝承が交差する場のなかでうみだされてきた<日本音楽>の姿を考えてみたい。 使用文献;:開講時にリストを配布する
・成績評価:レポート
表象文化史演習(冬) 松岡心平 能のテキストをゼミナール形式で読む。実際の能楽鑑賞に合わせて曲を選択したい。
表象文化論実習I(夏) 佐藤良明 各自のテーマにそって映像を撮影/創出/編集し、音楽を製作し、ナレーションをつけて、全体を作品化する。最後にプリゼンテーション・ソフトを使って作品を発表する。作業には時間をかけてもらいます。作業室は月〜金、12時〜18時開室の予定。院生も区別なく受け入れます。参加希望者が多すぎる場合には面接により受講制限をすることになりますので、初回の授業時に、自分のやりたいことをある程度明確にしてきてください。 使用文献:sgtsugar.comの掲示板を通して情報交換
・成績評価:作業の成果
表象文化論実習II(冬) 表象文化論各教官 この授業は「オムニバス」と呼ばれ、表象文化論に所属する教官が約7名、2週間ずつ交代で、それぞれの専門に近い講義をします。分科へのイントロダクションとして、今後の勉強の方向付けにも役立つはずなので、表象文化論に進学の内定した2年生は必ず受講すること。その他の学生も、学科・学年を問わず歓迎します。教員名と講義内容は、10月はじめに掲示します。 参考文献:『表象のディスクール』[全6巻](東京大学出版会)
・成績評価:レポート
舞台芸術論II(夏) 河合祥一郎 音の響きに注意しながら、Hamletを原文で読む。高橋康也・河合祥一郎編注の大修館シェイクスピア双書『ハムレット』(大修館書店)を教科書とする。必要に応じて、ローレンス・オリヴィエ監督・主演、フランコ・ゼフィレッリ監督メル・ギブソン主演、ケネス・ブラナー監督・主演の映画を観ることをしてもよいが、原文を声を出して読むことを重視したい。 使用文献:河合『ハムレットは太っていた!』(白水社)、河合『謎解き 「ハムレット」』(三陸書房)
・成績評価:平常点+学期末レポートまたは試験
伝統芸能論I(冬) 石光泰夫 中世のまねびと超克は江戸文芸のもっとも興味深い特質である。この授業では、江戸期の伝統芸能が中世の文学や芸能とどのように対峙し、それらを換骨奪胎して、中世においてはむしろ埋もれていた意味連関をいかに鮮やかに浮かびあがらせることに成功しているかを、特に文楽、歌舞伎の作品において検討する(たとえば能の「三輪」と文楽・歌舞伎の「妹尾山婦女庭訓」における三輪山信仰の変遷)。テクストばかりではなく、必要に応じて、能、歌舞伎、文楽の映像も参照して、あくまでも舞台芸術を問題にするというスタンスを崩さないようにする。
・成績評価:平常点とレポート
伝統芸能論II(冬) ?飛 開講時に指示する。
造形空間芸術論I(夏) 松浦寿夫 今学期は、1905年から1915年にかけての、フランス近代絵画の諸局面を検討することを課題とする。流派的な語彙を用いれば、フォーヴィスムとキュビスムの形成期に対応する時代だが、主として、セザンヌへの反応という点からこの時代の具体的な作品の分析を進めていきたいと思う。教材として、いくつかのテクストを取り上げるが、コピーを教室で配布する。また、参考文献は随時指示する。なお、
・成績評価:学期末のレポートによる(4000字程度)。
造形空間芸術論II(冬) 田中純 写真と都市の「ゲニウス・ロキ(地霊)」 1.趣旨:写真を通した都市の「ゲニウス・ロキ(地霊)」の発見を主題として、都市写真の考察とともに、東京のフィールドワークをおこなう。 2.授業の方法:言説分析については担当者を決め、レポートをしてもらう。参加者が一学期間に最低1回は発表をおこなう予定だが、人数によってはワーキング・グループに分ける。フィールドワークについてもテーマごとに担当者を決め、その者が中心になって調査計画を立てることとする。 3.評価方法:履修と単位取得のためには、原則として次のすべてを必須とする。 1) 授業における発表:全体評価の約25%。 2) レポート1(8000字):自分が授業で発表した内容に関するもの。論文としての形式(註など)を整えて書くこと。全体評価の約25%。 3) レポート2(8000字):フィールドワークのレポート。締め切りは卒業予定者・他学部生とそれ以外とで異なる(学期末に指定する)。論文としての形式(註など)を整えて書くこと。全体評価の約 25%。 4) 出席点:言うまでもなく、規則的な出席と議論への参加が強く要求される。毎回必ず出席を記録する。全体評価の約25%。 4.授業日程、参考書:冬学期開始前にホームページhttp://news.before-and-afterimages.jp/index.htmlで指示するが、基本図書として:拙著『都市表象分析I』(INAX出版)、飯沢耕太郎『東京写真』(INAX出版)。
音響芸術論II(夏) 長木誠司 プッチーニのオペラ《蝶々婦人》を中心に、近代オペラにおける東洋/日本の表象について、原作、台本、音楽、上演、受容(聴衆、応用・転用、観光等々)など、さまざまな角度から考察する。各自に何らかの発表を課す予定である。また学期の終わりには、実演を見る機会も設けたい。 使用文献:授業中に指定する
・成績評価:発表ないしレポート
映像芸術論I(夏) 青山真治 スティーブン・スピルバーグ『宇宙戦争』考察
講義というよりゼミ形式を考えています。講師が一人喋るのではなく、議論の場にしたい。参考までに、『アミスタッド』以降、『ミュンヘン』までのスピルバーグ作品を見ておくこと。並びにジョルジュ・アガンベン『バートルビー・偶然性について』ジャック・デリダ『死を与える』を読んでおくことをお薦めします。
・成績評価:レポート
映像芸術論II(冬) 刈間文俊 2005年は、中国人が映画を撮りはじめて100年にあたる年だった。この間、中国ではさまざまな文学作品が映画化されてきた。映画化された作品には、中国の古典や現代の小説、さらには外国文学からの翻案ものも、少なくない。このような映画を比較検討することで、映画と原作との関係を考えてみたい。『白蛇伝』『西遊記』『祝福』『子供達の王様』『カルメン』『椿姫』『脂肪の塊』などをとりあげる 使用文献:参考文献などは、適宜指示する。
・成績評価:レポートの提出に基づく。
言語芸術論I(冬) 高田康成 William Shakespeare, The Sonnets を読む
全部で152のソネットからなる『ソネット集』はもとよりそのすべてを扱うことなどできませんが、節目に当たるソネットとか古来なにかと有名なソネットとか問題含みのものなどを見繕ってあれやこれや思案する予定です。詩作は思索に通じることを体得してもらえたらと希望します。 テキストは洋書版であれば何でも結構です。Penguin Books (ed J. Kerrigan); The New Cambridge Shakespeare (ed. G.B. Evans); The Oxford World Classics (ed. C. Burrow); The Arden Shakespeare (ed. K. Duncan-Jones) などがあります。
・成績評価:授業態度と期末試験で行います
言語芸術論II(夏) 杉橋陽一 ゲーテ『若きウェルテルの悩み』を分析する
青年ゲーテの出世作『ウェルテル』(邦訳、岩波文庫)を多面的にテーマ的に調べてみる。授業の最初の回で、わたしがこの作品について概括的な内容説明を行う。さらにそのとき授業の進み方を説明し、次の回から、そのとき提示されたテーマ毎に参加者が報告するようにしたい。
表象文化論特殊講義I(夏) 一條麻美子 キリスト教的イメージと文学
文学作品の中にキリスト教的なイメージを探り、それが作品中にどのような役割を果たしているのかを考える。登場人物の行動様式はもとより、容貌・衣装・姿勢・インテリアなど様々なポイントで分析していきたいと思う。
・成績評価:平常点とレポート
表象文化論特殊講義II(冬) 松浦寿夫 今学期は、1960年代のアメリカ美術の諸問題を検討する。流派的な分類とは無関係に、ある共通のイメージの体制を構成する具体的な徴候をいくつか取り上げ、分析する作業を進めていく予定である。とりあえず、ミニマル・アートないし、モノクロームに絵画作品の検討から始める。なお、教材はコピーで配布し、参考文献は随時、指示する。
・成績評価:学期末のレポート(4000字程度)による。
表象文化構造・機能論演習(夏) 中島隆博 中国の芸術論
中国の芸術論について概観する。手掛かりとして、フランソワ・ジュリアン『勢 中国文化横断』(知泉書館)を取り上げ、「勢」という概念が芸術の諸ジャンルを貫いていかに機能しているかを見ながら、中国の書論・画論・詩論のテクストを読解したい。
・成績評価:平常点とレポート
表象文化相関論演習(夏) 松浦寿輝 開講時に指示する。
表象文化論特殊研究演習I(夏) パトリック・ドゥヴォス 開講時に指示する。
表象文化論特殊研究演習II(冬) 宮沢章夫 開講時に指示する。
表象文化論特殊研究演習III(夏) 観世銕之丞 開講時に指示する。
表象文化論特殊研究演習IV(冬) 内野儀 映画を観る/読む
特定の文化圏、特定の時代にとらわれずに、映画を観る/読むという趣旨の演習授業を展開したいと思います。具体的には、一般客観的な印象批評から映画についての専門的研究への橋渡し的な意味合いを込め、受講者にはそれぞれの専門的興味に従い、一つの作品を特定の切り口と方法論によって批評・分析する内容の発表を行っていただきます。授業では映画を見ることはせず、担当者の発表とそれに基づくディスカッションを行いますので、各自が当該の映画を見てくる(あるいは、すでに見ている)ことが授業参加の前提になります。そのため、参加者にはご自分がどの映画で発表するかを開講前に決めていただきますが、その際、他の受講者の便宜を考え、一般のレンタルショップで借りられるある程度ポピュラーなものを指定してください。各自の発表は、映像資料を用いても構いませんし、できればパワーポイント等のプリゼンテーション・ソフトに慣れておくという意味で、PCでの発表をお願いします。第1回の授業はオリエンテーションで、発表の順序、扱う作品を調整し、第2回目には入門的な映画研究のエッセイの具体例(第1回授業時にコピーを配布)を検討し、第3回目以降は受講者による発表とする予定です。教科書は定めませんが、フィルムアート社の『新映画理論集成』を参考書とし、できれば開講前までに通読しておいてください。
・成績評価:出席と授業における発表とディスカッションの貢献度をベースとし、学期末に自分の発表とディスカッションに基づいて400字詰め原稿用紙10〜15枚程度のレポートを提出していただき、それらを総合的に判断して行います。