2014年度授業紹介 ── 大学院



授業科目名 担当教員 授業内容
文化創造論Ⅱ
(夏2・冬2) 
小林 康夫 Glanures(落ち穂拾い) 
今年度はわたしの定年前の最終年度にあたるため、これまでの研究の「落ち穂拾い」をする。そのため一見すると「統一的なテーマ」のない分散的なパッチワークとなる予定。現時点で予定されている諸トピックは下記のキーワードに掲げるものだが、変動することが予測される。主題ではなく、これまでわたし自身が行ってきた研究批評に関心を抱く学生の参加に限定したいので、多数の聴講を望まない。キーワード:希望、運命、空間、言葉、身体。
文化制度論Ⅰ
(夏2・冬2) 
高橋 哲哉 主権性の脱構築:その理論と実践 
J・デリダの「主権性」sovereigntyをめぐる考察を導きの糸にして、「主権」についての理論的・実践的諸問題を考察する。まずは、デリダ晩年のセミネール『獣と主権者』Ⅰ、Ⅱ等いくつかのテクストを選択的に読みながら、「主権性の脱構築」の思想を、「沖縄」をめぐるポストコロニアルな思想的・政治的諸問題に接続する可能性を探求したい。
文化クリティシズムⅡ
(夏2・冬2) 
高橋 宗五 ルカーチの『小説の理論』を読む 
昨年度に引き続きルカーチの『小説の理論』を読みます。今学期から第二部の「小説の類型論」に入り、一年を掛けて読み終える予定です。
マルチメディア解析Ⅰ
(夏2・冬2)
内野 儀 ニューメディアとパフォーマンス
ニューメディア論とパフォーマンス研究の交差する理論的領野を見定めることを目標とする。媒介性/ライヴ性、デジタル/アナログ、人間/サイボーグ、ヒューマン/ポストヒューマンといった概念/とロープにつき、英語論文を中心にして、考えていく。

伝統と創造Ⅱ
(夏2・冬2) 
De Vos, Patrick 舞台芸術史を考える
2011年に出版された「Aisthesis」においてジャック・ランシエールは18世紀に出現する「芸術」という概念を捉えなおした上で、独特の視点でその歴史を語り直そうとしていると言ってもよい。授業では、そのうちの舞台芸術の位置に注目し、関連の章を精読する。冬学期は、20世紀演劇の重要な水脈の一つである政治演劇が、現代演劇(特に最近のフランス演劇)にいかに継承されたかを考えるために、オリヴィエ・ヌヴー著『politiques du spectateur』(2013年)を読む。.
文化ダイナミクス演習I
(夏2・冬2) 
林 少陽 「近代」と「美」的アイデンティティ、「美」的イデオロギー
昨年度の冬学期のゼミで明治日本の美術運動の指導者・思想家である岡倉天心の美術史的言説・思想的言説を中心にゼミで議論してきた。今年度はそれと関連して、通年の夏学期と冬学期を通して、近代日本において、「美」と「近代」との関係、「美」とナショナル・アイデンティティ、カルチュラル・アイデンティティとの関係をめぐって、「美」がどのように語られてきたのかを一緒に整理してみたい。その過程において「中国」と「西洋」がどのような機能をしているのかを考えてみたい。天心から、内藤湖南、和辻哲郎、保田與重郎までの系譜を扱う予定であるが、可能であれば、日本との関連で中国も視野に入れたい。
文化ダイナミクス演習Ⅱ
(夏2・冬2) 
松岡 心平 世阿弥能楽論を読む
世阿弥あるいは金春禅竹の能楽論をゼミナール形式で読む。集まるメンバーによっては、内容の変更もありうる。
文化ダイナミクス演習Ⅲ
(夏2・冬2) 
高田 康成 批評(criticism)とは何か
いくつかのテクストを読みながら批評について考察をします。
文化ダイナミクス実験実習Ⅰ
(夏2) 
O’DEA, John Philosophy of Cognitive Science
This course will survey currently active debates in the philosophy of cognitive science, a highly active and interdisciplinary area of research, covering all aspects of mental life, including perception, language, rationality, sociality and artificial intelligence.
文化ダイナミクス実験実習Ⅱ
(夏2) 
清 水晶子 ポストコロニアル・フェミニズム理論再読
脱構築理論をひとつのベースとして展開されたポストコロニアル・フェミニズム理論は、1980年代、90年代のフェミニズム理論に大きな影響を与えた。しかし、ポスト構造主義のlinguistic turnへの批判的応答として情動/身体理論が前景化される近年のクィアの文化理論に、ポストコロニアル・フェミニズム理論の知見はどれほど、あるいはどのように、引き継がれているのだろうか。この授業では、その問いを念頭におきつつ、ポストコロニアル・フェミニズム理論を代表するガヤトリ・スピヴァクの著作の再読を通じて、近年のクィア理論について検討する。
イメージ分析論Ⅰ
(夏2・冬2) 
中島 隆博 「終わり」の表象
昨年度、「起源」の表象について探究したが、今年度は、「終わり」の表象について検討する。文学、哲学、歴史学、映画における「終わり」について、具体的な作品をもとにして分析する。冬学期は、政治哲学の諸問題をテーマとし、中国、韓国、日本における政治哲学の今日的可能性を、テクスト読解を通じて探究する。
表象技術論Ⅱ
(夏2・冬2) 
田中 純 歴史表象の諸問題
歴史表象をめぐり、ナラティヴ、経験、イメージを主要なテーマとして考察する。。
表象文化史Ⅰ
(夏2・冬2) 
桑田 光平 日常性の哲学
フランス/アメリカの哲学者の著作を読みながら「日常とは何か」という問題について考える。昨年度に引き続き、ブルース・ペグのLa Decouverte du quotidien (Allia, 2005)を読んでいくが、毎回、担当箇所を決めて約10頁分のレジュメを発表するにとどめ、今年度はBegoutもたびたび参照するスタンリー・カヴェルのIn Quest of the Ordinary: Lines of Scepticism and Romanticism (Chicago University Press, 1988)を精読することを主眼とする。
アート・マネージメント論Ⅱ
(夏2・冬2) 
長木 誠司 文学オペラの諸問題
19世紀末から20世紀にかけて、ポスト・ヴァーグナー時代のオペラのひとつの型として〈文学オペラLiteraturoper〉というものが登場する。この術語を定義しようとする試みや作品の実例を検討しながら、それらが孕む問題を20世紀のオペラ創作史との絡みのなかで考えてみる。原作(戯曲・小説等)とオペラとの違いや、その違い自体の類型化、あるいは原作とされる〈文学作品〉の傾向や、オペラ作品の出来・不出来の問題、コラボレーションのあり方等々を逐一俎上に挙げていく。
パフォーミング・アーツ論Ⅱ
(夏2・冬2) 
河合 祥一郎 パフォーミングアーツについて書くという実践をめぐって
上演中の公演について劇評を書く実習をする。
表象文化論演習I
(夏2) 
刈間 文俊 中国映画史を検討する
近年、中国映画の研究は、飛躍的に発展している。とくに中国本国での研究の進展は著しく、影印資料の復刻など、関連資料もかなり充実してきている。新資料を集中的に検討して、中国映画研究にどのような展望が開けるのかを考えたい。扱う資料は中国語と日本語が想定されている。

表象文化論演習Ⅱ
(夏2・冬2) 
石光 泰夫 かたちの思想
いのちの表現としてのかたちを、そのさまざまなあらわれにおいて思惟する。冬学期では、上記の題目の夏学期授業を、受講する学生諸君にいわば敷衍してもらう。なんらかの意味で「かたち」というものに関連づけられるのであれば、夏学期の授業を聴いていない学生でも、また夏学期の授業の内容と異なる発表でもかまわない。むしろ、まったく逆方向もふくめて、様々な角度で切り結ぶような内容である方が好ましい。自分の専門分野で考えたことを武器に、大いに議論をふっかけてほしいと思っている。

表象文化論実験実習I
(夏2) 
岩佐 鉄男 フルクサス・パフォーマンス
これまでつづけてきた「アメリカ実験音楽の系譜」のいわば番外編として、1960年代以降、ニューヨークを中心に世界各地で実験的な活動を展開したアーティスト集団「フルクサス」を取りあげる。多岐にわたる彼らの活動のうち、とくにことばによる指示にもとづく作品群に注目して、その意味を理論的・実践的に考えてみたい。
表象文化論演習Ⅱ
(夏2) 
一條 麻美子 中世ヨーロッパの視覚文化
中世ヨーロッパ文学を対象として、テキストとイメージの問題について考える。テキストとして表現されるイメージ、また写本ミニアチュールなどのイメージを含めたテキスト解釈の双方向を視野に入れた作品分析の方法を考える。

表象文化論実験実習Ⅲ
(夏2) 
MAROTTI, William  “Money, Trains, and Guillotines: Art and Revolution in 1960s Japan”を読む。
William Marotti, “Money, Trains, and Guillotines: Art and Revolution in 1960s Japan”, (2013)につき、講義および討論を行う。
超域文化科学特殊演習I
(夏2・冬2) 
滝浪 幸次郎 近世の演劇 
歌舞伎や文楽の作品を読みながら、視聴覚資料を活用し、近世の演劇について考察する。具体的にどの作品を扱うかについては、初回の授業のときに参加者と相談して決定します。この演習は、留学生を対象としています。