2013年度授業紹介 ── 大学院


授業科目名 担当教員 授業内容
文化創造論Ⅰ
(夏2・冬2) 
清水 晶子 情動論とクィア 
近年のクィア・スタディーズにおけるいわばbuzzwordの一つであるaffectをめぐる論議を概観する。この分野でaffectというタームが注目されはじめるきっかけとも言われるSedgwick, Massumiの論文からはじめて、基本的にはDuke U.P. のAffect Theory Reader (2010) に沿いながら、出来るだけ多くの論文を購読する予定である。それを通じて、クィア・スタディーズにおいてどのような文脈と目的でaffectというタームが導入されてきているのか、それによって何が可能になり何があらたに問題となりうるのかを批判的に検討してみたい。夏学期の論議を引き継ぎつつ、冬学期はとりわけ皮膚と接触という問題系を念頭におきながら、主にフェミニズム/クィア身体論にかかわる論文を講読する予定である。ただし、夏学期の進捗状況によって講読文献は変更する可能性がある。
文化制度論Ⅱ
(冬2) 
林 少陽 岡倉天心を読む 
明治の美術評論家、思想家岡倉天心(1862 - 1913)の美術史的言説・思想的言説を中心に、近代日本の文芸批評・美学批評に於ける「近代」「日本」と「中国」、「西洋」との関係を考える。岡倉と中国との関連も触れたい。「美」は「国家」にとって何を意味しているか、ナショナリズムにおいてどのように機能しているかを、特に表象理論との関連において一緒に考えてみたい。
文化クリティシズムⅠ
(夏2) 
高田 康成 悲劇論を読む[winter]
各種の(西欧)悲劇論を読む。
マルチメディア解析Ⅱ
(夏2)
O’DEA, John Philosophy of the Senses: Sounds and Audition 
Perception has traditionally been the focus of many philosophical problems, including the nature of the mind and the nature of the world to which perception seems to connect us. This seminar focuses on sounds and the sense of hearing.

(冬2) 
Philosophy of the Senses: Touch 
This seminar focuses on the sense of touch.
伝統と創造Ⅰ
(夏2・冬2) 
松岡 心平 中世芸能のテクストを読む
世阿弥または金春禅竹の能楽論を輪読の形で読み進めるつもりだが、初回に集まったメンバーによっては内容の変更もありうる。
文化ダイナミクス演習I
(夏2・冬2) 
小林 康夫 絵画の哲学(Philosophy of Painting)
19世紀・20世紀における絵画の哲学を概観する。
文化ダイナミクス演習Ⅱ
(夏2) 
高橋 哲哉 「死刑」とディコンストラクションS
J・デリダの「セミネール:死刑」第1巻が公刊された(Jacques Derrida, La peine de mort, vol. 1:1999 - 2000, Galilee, 2012)。「責任の諸問題」という総テーマの下で、「主権」、「例外」、「残虐性」という3つの概念をめぐって展開されるデリダの死刑論を概観したい。
文化ダイナミクス演習Ⅲ
(夏2) 
高橋 宗五 Georg LukacsのDie Theorie des Romans(1914/15)購読
歴史哲学に基づく文学理論の到達点のひとつを示す本書を、歴史的な文脈(Querelle des Anciens et des Modernes、SchillerやFriedrich Schlegel等の美学理論)やLukacsの他の著作やBenjamin のUrsprung des deutschen Trauerspiels における受容の問題等を視野に入れながら読んでゆく。
文化ダイナミクス実験実習Ⅰ
(冬2) 
内野 儀 ニューメディアとパフォーマンス
ニューメディア論とパフォーマンス研究の交差する理論的領野を見定めることを目標とする。媒介性/ライヴ性、デジタル/アナログ、人間/サイボーグ、ヒューマン/ポストヒューマンといった概念/トロープにつき、英語論文を中心にして、考えていく。
文化ダイナミクス実験実習Ⅱ
(冬2) 
De Vos, Patrick ダンスと批評
この授業では、最近フランス語で書かれたダンス(しかしジャンルを必ずしも限定しない)を扱う批評のテクストや研究論文を読む予定です。哲学を始め人文知がかなり浸透しているこの言説を精読し、その含意や有効性を検討します。できる限り、映像でも確認できる具体的な作品の分析においてその批評的な言説の可能性をみていきたいと思います。
イメージ分析論Ⅰ
(夏2・冬2) 
刈間 文俊 中国映画史を検討する
近年、中国映画の研究は、飛躍的に発展している。とくに中国本国での研究の進展は著しく、影印資料の復刻など、関連資料もかなり充実してきている。新資料を集中的に検討して、中国映画研究にどのような展望が開けるのかを考えたい。扱う資料は中国語と日本語が想定されている。
表象技術論Ⅰ
(夏2) 
岩佐 鉄男 マルセル・デュシャンとその周辺
20世紀を代表するアーティストのひとりマルセル・デュシャンと彼をとりまくアーティストたち――ジョン・ケージ、マース・カニンガム、ジャスパー・ジョーンズ、ロバート・ラウシェンバーグなど――との関係を通して、20世紀後半のアメリカにおける新しいアートの運動を考察する。
表象文化史Ⅱ
(夏2・冬2) 
一條 麻美子 文字の考現学(メディア論)
言葉はたしかに文字以前からあったが、文字に書かれるようになってその分節作用にいかなる変化が生じたか。メディアとしての文字は、他のメディアとのいかなる差異を生きているか。そうした問いを、文字に加えられた根本的な省察のいくつかを参照しながら、深い射程で問うてみる努力をする。言語についての究極の哲学的な問いにふさわしい問い方はいかにして可能になるか。その見極めが本授業の課題である。
パフォーミング・アーツ論Ⅰ
(夏2) 
石光 泰夫 身体を読む
パフォーミング・アーツにおいて、あるがままの身体などない。そこでは身体は、かならず何かの身体になるために書き込みをほどこされ、その書き込まれた言語にしたがってプログラムされた身体が形を成している。この授業はそうして出現したパフォーミング・アーツの身体を読む訓練をする。身体を読むとはしたがって、とりあえずは、そのプログラムする言葉を正確に読み出すことであるのだが、身体を読む訓練はそれに尽きるのではない。最終目標は、精緻かつ繊細に読んでもどうしても読めない何かが身体に立ち現われてくるところまで読み進めて、その臨界点を確かめることである。身体を読む言葉の達成と挫折の確認が、この授業の目標である。さらにはその先で、では言葉によらないいかなる読解が可能かを模索することも重要になる。
表象文化論演習I
(夏2) 
河合 祥一郎 パフォーミングアーツについて書くという実践をめぐって
上演中の公演について劇評を書く実習をする。

表象文化論演習I
(夏2) 
番場 俊 顔と表象
「顔」について考えることは、「表象」概念の根底的な再考につながる。この講義では、「顔」と「表象」の原理的な考察から出発して、「顔」の表象の歴史的変容をたどり、「顔」とメディアと社会の関係を探る。


(冬2) 
マレーヴィチのイメージ論を読む
《黒い正方形》(1915年)によって神話的な存在となったロシア・アヴァンギャルドの画家カジミール・マレーヴィチの理論的著作を読むことによって、単なる美術史的な理解の枠には収まりきらない彼の「無対象bespredmetnost’/non-objectivity」の哲学に触れ、イメージと表象の理論を再考する。
表象文化論演習Ⅱ
(夏2) 
中島 隆博 「起源」の表象
哲学と文学における「起源」の表象をあらためて議論する。

表象文化論実験実習IⅠ
(冬2) 
田中 純 ダイアグラム、ドローイング、思考のイメージ
思想家や科学者が着想をしるしたダイアグラム、人類学者のフィールドノートに手早く描かれたドローイング、ヴァルター・ベンヤミンのいう「思考のイメージ(Denkbilder)」――閃光のように訪れ、生まれつつある思考の兆しとなるこれらのイメージ群をめぐる問題圏を、多様な角度からのアプローチによってあぶり出してみたい。
表象文化論実験実習Ⅱ
(夏2) 
長木 誠司 ベンジャミン・ブリテンを考える
今年生誕100年を迎えたイギリスの作曲家ベンジャミン・ブリテン(1913-76)に関する20世紀末からの研究を参照しながら、オペラをはじめとする代表作を、(イギリス)音楽史、オペラ史、創作における平和主義、西洋音楽作品におけるクローゼットなホモセクシャリティ等々の視点から見直す。

表象文化論実験実習Ⅲ
(冬2) 
桑田 光平 「日常」とは何か
フランスの哲学者Bruce Begoutの著作を導きの糸としながら、「日常」とは何かについて多角的に考えていく。
超域文化科学特殊演習I
(夏2) 
滝浪 幸次郎 近世の演劇
歌舞伎や文楽の作品を読みながら、視聴覚資料を活用し、近世の演劇について考察する。具体的にどの作品を扱うかについては、初回の授業のときに参加者と相談して決定します。この演習は、留学生を対象としています。