1997年度授業紹介 ── 大学院

講座名 担当教員 講座内容
文化創造論II(夏) 河合祥一郎 17世紀英国演劇の視覚的効果
シェイクスピアの時代の舞台上演の視覚的効果について考察してゆく。ジョン・フォード、トマス・ヘイウッドなど同時代の劇作家も扱うが、できるだけシェイクスピアの作品を中心に扱う。作品は各自読んできてもらうこととし、上演についての英語文献を読む。
文化制度論I(夏・冬) 杉橋陽一 アドルノのヴァーグナー論
音楽的にはカール・ダールハウスのヴァーグナー論と、哲学的にはニーチェのそれと比較しつつアドルノのヴァーグナー論を原書で読む。丁寧にテキストを読むことを心掛けたい。
文化クリティシズムI (夏・冬) 高田康成 ヨーロッパにおける新旧論争
17世紀〜18世紀のヨーロッパで行われた「新旧論争」を扱います。
マルチメディア解析I 佐藤良明 現代アメリカのメディアと心 Ⅰ (夏)
現代アメリカの映像・音楽文化に関する基礎情報を処理しながらプレゼンテーションを行う練習。前半の6回はRobert Palmer, Rock & Roll: An Unruly Historyと付随ビデオをテクストに用いる。後半はホラー・ムーヴィーについて複数の書物から多様な論文を批判的に読んでいく。

現代アメリカのメディアと心 Ⅱ (冬)
メディアと心(文化)の問題を考える上で重要な2冊の現代アメリカ小説を原書講読する。Steven Wright, Going Native(1994)とThomas Pynchon, Vineland(1990).ともに重厚なイメージが塗り重ねられた作品ではあるが、読解力増強を目的とし、毎回50ページ以上、レポーター制で進んでいく。
伝統と創造II (冬) De Vos, Patrick フランス演劇論
フランス語による舞台芸術論をいくつか読んで、その関連で映像資料を用いて作品の分析を行う。共同研究という形で、学生たちの積極的な参加、発表などが要求される。使用言語は仏・日語。
文化ダイナミクス演習I (冬 ) 高橋哲哉 ディコンストラクションの諸問題
ディコンストラクションの理論的諸問題の検討を進める。デリダの新しいテクストを読むか、関連文献を選んで検討する。参加者諸君のテーマともすり合わせも考慮したい。
文化ダイナミクス演習II (夏) 高橋宗五 前衛芸術論
今学期はPeter Buerger, "Theorie der Avangarde"(1974)を精読する。これは表題からも明らかなようにダダやシュールレアリスム等の前衛芸術に関する研究書であり、なぜ前衛芸術が生まれたのか、それは芸術史の中でなにを意味するかを解き明かした、極めて刺激的な書物であり、今日では前衛芸術に関する研究の中では古典的な位置を占めている。この書物が現代芸術を考える上で重要な意味を持つのは、さまざまの意味でアクチュアリティを持っているからである。マルクス、ベンヤミン、ルカーチやアドルノを参看しつつゼミを進める。
文化ダイナミクス演習III (夏) 桑野 隆 ロシア・アヴァンギャルド研究
最近のロシア・アヴァンギャルド研究に見られる新しい傾向のいくつかを検討に付す。
文化ダイナミクス実験実習II (夏) 松浦寿輝 Creative Writing
小説の実作
イメージ分析論II (夏・冬) 刈間文俊 現代中国芸術の諸問題 1・2
映画や演劇、文学など、1980年代以降の中国芸術を対象に、変革期の芸術諸相を考察する。
表象技術論I(夏・冬) 岩佐鉄男 フルクサス研究 1・2
60年代はじめにアメリカとドイツを中心に起こった超ジャンル的芸術運動〈フルクサス〉の活動をたどりながら、現代における芸術表象のさまざまな問題を考察する。
表象文化史II (夏・冬) 一條麻美子 ヨーロッパ中世文芸研究 ヨーロッパ中世文芸のテキストを、具体的な受容の場面を想定しながら、検討する。叙事詩、叙情詩、戯曲など様々なジャンルのテキストが考えられるが、今学期は特に戯曲のテキストを取り上げたい。
アート・マネージメント論II (夏・冬) 松岡心平 能楽論研究
金春禅竹の能芸論を読む。
パフォーミング・アーツ論1 (夏・冬) 石光泰夫 ドイツ・ロマン主義の芸術と芸術論
ドイツ・ロマン主義がとくに現代の芸術・思想においてもちうるアクチュアリティーを視野におきながら、文学・音楽・絵画・舞踊におけるその芸術表象と、それを根幹で支えていた理論を多角的に考察する。とくに精神分析学による知見はできるかぎり多く参照して、読解のための基本となる軸線にする。
表象文化論演習II(冬) 中村健之介 ロシア文化論
J. Billington, "The Icon and the Axe"など、英文のロシア文化論を読む。
表象文化論実験実習I(冬) 田中 純 メディア理論からネット・クリティシズムの実践へ
ここ10年ほどのメディア理論の動向を、とくにインターネットなどの展開を中心的な論点として振り返り、ネットを活用した文化研究、文化批評の可能性を探る。コンピュータを用いたマルチメディア的作品・論考の、ネット上での展示・変形・流通・批評の実践が目標である。
表象文化論実験実習II (夏) 浦 雅春 スターリン文化の研究
近年ロシアにおいてはスターリン期の文化の位置づけをめぐってさまざまな言説が台頭している。はたしてスターリン文化は全体主義が生み出した必然的な帰結なのか、それともポストモダンの変則的な先駆なのか——グロイスやエプシテイン、パペルヌイなどの理論を参照しながらこの問題を考える。授業では英語もしくはロシア語の論文を割り振り、各人が発表するという形式をとる。
表象文化論実験実習III(夏) 長木誠司 20世紀のオペラ
オペラは今世紀になって、美学的前提や社会的意義が大幅に変化したジャンルであるが、その多様な変貌ぶりを、ことにドイツの歌劇場のレパートリーや初演作品の系譜の中で見直してみる。
超域文化科学特殊研究I(冬) 小林康夫 疲労論
さまざまな芸術表象、とりわけ文学を中心にして「疲労」というトポスを総合的に研究する。Peter Handkeの『疲労論』やJean-Loui Cheretienの哲学的な『疲労論』(1996)を参考にしながら、人間存在と時間の本質的な関わりの一アスペクトを究明する。
超域文化科学特殊演習I(冬) 滝浪幸次郎 白浪物研究
黙阿弥の作品を読みながら、歌舞伎の構造について考える。